1 ヘモグロビン?

酸素の運び屋さん。赤血球の大部分を占める血色素。

ヘム(鉄)+グロビン(たんぱく質)=ヘモグロビンが名前の由来です。

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基準値:
男性:13.5~17.0g/dl
女性:11.5~15.0g/dl
★値が低いほうが問題になることが多い!

2 ヘモグロビンの役割って?

酸素を全身に運び、受け取った二酸化炭素を肺へ運ぶこと。

ヘモグロビンは、酸素濃度の高い組織では酸素と結合し、酸素濃度の低い組織では酸素を手放す特性があります。

血液中のヘモグロビンが少なくなると、足りない酸素を効率的に運ぶために心臓や肺が頑張って働きます(代償反応)すると、血液の循環が早くなって動悸がしたり、呼吸運動が盛んになって息切れがしたりします。血中の赤血球の数やヘモグロビンの濃度の低い状態は貧血といわれます。

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3 貧血は一言でいうとずばり酸欠!

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貧血の中でももっとも頻度が高いのが鉄欠乏性貧血(小球性低色素性貧血のひとつ)。

原因は
1)原材料の不足:過激なダイエットや偏食などで鉄分・たんぱく質が不足
2)鉄の過剰な排泄:慢性出血性疾患(胃・十二指腸潰瘍や胃癌など)・婦人科疾患(月経過多・子宮筋腫・子宮内膜症など)・外傷による大量出血
3)必要量が増える:妊娠や成長期など

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  • 供給・需要のバランスが鍵!
  • さじ状爪は鉄欠乏性貧血の特徴的な症状のひとつです。

4 貧血は他にも…

再生不良性貧血

骨髄の造血機能低下でそもそも赤血球が作られない。赤血球だけでなく白血球も血小板も減少するので、感染症にかかりやすかったり出血しやすくなったりもします。

悪性貧血

赤血球の生成に必要なビタミンB12の欠乏によるもの。足のしびれや知覚麻痺が起こることも。

腎性貧血

腎機能の低下で赤血球を作れ!と指令を出す腎臓のホルモン(エリスロポエチン)が不足。

溶血性貧血

何らかの原因で赤血球の寿命が短くなってしまう。自己免疫性溶血性貧血は自己抗体が赤血球を破壊してしまう。
などさまざまな疾患があります。

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これらは鉄分やたんぱく質をとるだけではだめ!それぞれに適した治療が必要になります。

5 あねごのまとめ

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ヘモグロビンは国試の必修でも頻出!成人看護学・母性看護学の事例問題でも疾患をアセスメントする鍵になることも。
値はだいたいでも良いので低いほうを中心に覚え、症状だけでなく、原因疾患と治療方法も関連付けるとばっちりです!

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)