仕事に慣れたとはいえやっぱり薬の扱いは緊張します。
またまた半泣きでSOSのメールを送信してみると……。

メール

差出人
hannaki♡ikyo.jp
件名

薬にまつわるとほほです…。

宛先
anego♡ikyo.jp
最近は、夜勤明けでも遊べるくらい元気になってきました。
あねご、お元気ですか?
看護師になって毎日のように行う業務が薬にまつわる仕事。
アンプルの先端を割って、注射器に針をつけて吸うだけで、
手はぷるぷる、という時期は過ぎたけれど、
まだまだ緊張することもたくさんあります。
そして、今日の失敗も薬関連です。
夜勤の先輩に、
「床頭台に昼の薬が残っていたけれど、確認したの?」って
言われてしまいました。
昼に配薬したのですが、患者さんが薬を飲み忘れてしまったみたい。
内服したかどうかまで見届けていませんでした。
それから昨日は、シーツ交換をしていた助手さんに、
「薬落ちていたよ」って言われてしまいました。
「薬の袋開けにくくてね、その時落とした気もするわ。
1錠くらいいいかなと思って」と
茶目っ気たっぷりに患者さんに言われてしまったのですが、
やはり確認が足りなかったと思います。
「配薬したらOK」と思っていた自分に反省です。

メール

件名

Re:薬にまつわるとほほです…。

メールありがとう。
当たり前の様に日々行う薬剤の投与。
卒後何年たっても、怖いと思う場面は私にもあります。
私はむしろこの”緊張”は必要なことだと思っています。

患者誤認を防ぐための患者認証システムや
準備段階でのダブルチェックなど、
各病院で医療安全の視点から様々な取り組みをしていると思います。
メールを読んでいると、
「投薬時の6R
Right Patient(正しい患者)
Right Drug(正しい薬)
Right Dose(正しい量)
Right Route(正しい方法)
Right Time(正しい時間)
Right Purpose(正しい目的)
は、きちんとできていると思いました。
ただ、看護師は最終施行者となることが多いため、
きちんと薬剤が体内に投与され、
適切な効果を発現出来るように確認することが

とても大切です。
特に、内服薬は静脈注射などと違って、
体内に最終的に入れる行為は患者さんにゆだねられるということもあります。
慢性疾患などで退院後も服薬が必要となる場合は、
そのまま退院指導にもつながるくらい奥が深いものですよね。

ちなみに、最終確認が不足して起こる事例には、
1)坐薬をきちんと挿肛してもすぐに手をはなしてしまったため、腹圧をかけたタイミングで出てしまっていた。
2)単独の点滴ルートで投与しなければならない薬剤を他の薬剤と一緒に投与してしまい混濁してしまった。
3)点滴をきちんとつないでいたけれど、刺入部の確認不足で、点滴が皮下に漏れてしまった。
などなど。想像するだけで背筋が凍りますよね。
というわけで、どんなに忙しい時にでも“あと一歩の確認”
心にとめて業務に取り組みましょうね!
あと一歩、あと一歩、あと一歩、ほらもう一歩!
第6回 経口投与の薬。ゴール見届けの巻

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)