一人立ちを始めた新人ナースですが、「ほうれんそう」って難しい!
またまた半泣きでSOSのメールを送信してみると…。

メール

差出人
hannaki♡ikyo.jp
件名

報告のコツがわかりません。

宛先
anego♡ikyo.jp
あねご!
ようやく一人で患者さんの受け持ちができるようになりました!
後ろからじっと見つめる先輩たちの目がなくなって、
少しホッとしているのも事実ですが、判断に困る場面もたくさんあります。
入職オリエンテーションで、
「ほうれんそう(報告・連絡・相談)が何より大事です」って言われたから、
きちんと先輩に報告しているのに、
私が発言すると「……」ときまずい沈黙が流れて、
「で、どうしたいの?」と言われることがあるんです。
今日も、脳梗塞後の患者さんの血圧について、
「Aさんの血圧が198/86mmHgです」と報告したら、
「それは報告なの? それとも相談?」って言われてしまいました。
脳梗塞直後で、220/120mmHgまでは経過観察でよい、
という医師の指示があるのは分かっていたんだけど、
夜勤時に計った血圧が158/70mmHgと記載されていたので、
それから急に上がったことが心配で報告したかったんですが…。
私はどうすればよかったんでしょう???

メール

件名

Re:報告のコツがわかりません。

今の時期、先輩看護師や医師に報告することは、
それだけでもとても勇気がいるし、緊張するよね。
そんな時は、声も小さく、しどろもどろになりがち。
実は、これだけでも相手は、
「この人はどこまで分かっているのだろう」と不安になります。
「以心伝心」なんてことわざもありますが、
現実には私たちの考えていることは、相手には「ぴぴっ」とは伝わりません!

だからこそ、報告の仕方が大切になります。
自分が気になること、報告したいと思うことがあったら、
まず、1)何に悩んでいるのか 2)気になると考えた理由 を振り返ってみてください。

そうすると自分の考えを整理できます。
そして、相手に伝える際は、1)話したいことは何なのか 2)複数ある場合は何個か
を明確にした上で、できるだけ結論から先に伝えましょう。
だから今回の場合は、
「夜勤のときの血圧が158/70mmHgでしたが、
今は198/86mmHgでかなり上がっています。
意識レベル低下もなく、麻痺の悪化や頭痛・吐き気などの随伴症状もありません。
主治医の先生は午前中外来のため、
引き続きモニター管理をして様子をみたいと思います。
この対応でいいでしょうか?」
と相談するのがよかったのではないでしょうか。
「分かりません」と言いたいことも多いと思いますが、
病院内の看護技術マニュアルなどを利用して、
「なんでも聞く」ではなく、
「○○までは調べましたが、△△が分かりません」というように、
自分できることはあらかじめ努力する姿勢も大切ですよ。
第3回 コツコツ報告のコツの巻

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)