看護師の仕事って想像以上に難しい…。
頼れるあねごに相談してみることにします。

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handsome♡ikyo.jp
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看護技術を向上させたいです

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anego♡ikyo.jp
秋ですね。夜勤の時に、ついつい食べ過ぎてしまいます。少し時間の余裕も出てきたし、ジムにでも通うべきか…でも続くか疑問なので思案中です。
僕の勤務している病院では、3か月、6か月、9か月、1年目にプリセプターの先輩と技術チェックを行います。まだまだ、△(先輩の見守りのもと実施できる)や×(まだ実施したことがない)などの項目もたくさんあります。すべてが○でなくてもよいとは思うけれど、他の病棟の同期と比べると、僕の方が○の数が少ないと心配になることも。
とはいえ、3か月目と比べると○の項目も増えてきました。ここから1年目後半戦、どんなことに気をつけて行くと看護技術が向上しますか?
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Re:看護技術を向上させたいです

ホント、一年が過ぎるのは早い。春、夏と過ぎてあっという間に秋ですね。私も食欲の秋です。
さて、メールのお返事ですが、「隣の芝生は青い」というように、ついつい他の同期と比べてしまうことはあると思います。良い意味でのライバルはお互いを高め合うこともありますよね。
でも今、大切なのは、自分の目の前にある一つひとつの課題を乗り越えること。一見、小さな山に見えても、積み重ねれば大きな山になります。配属される病棟によっても、必要とされる医療処置の内容も違います。だから、後半戦のアドバイスとしては、○の項目を増やすことにとらわれず、自分の○を深める努力をしたらよいのではないかと思います。

まず、技術マニュアルをもう一度見直してみましょう。今見ると意外に新しい発見があるものです。
例えば腰椎穿刺。どこから穿刺するのか?きっとこれは答えられると思います。第4-5腰椎(あるいは第3-4腰椎)ですよね。それは、脊髄神経に針が触れるのを避けるため。これも知っていると思います。だとすれば、医師がどの位置で穿刺するのか考えて物品の配置を行うといった気遣いができるとGOOD。また、ただ検査の介助につくだけでなく、何の疾患を鑑別するのかをきちんと分かっていれば、髄液の性状、髄液圧など、どこを注目して観察すべきか見えてくると思います。さらに、エビのように背中を丸め背後から穿刺される患者さんは、どの場面で一番不安を感じやすいのか?患者さんの表情も見ながら声かけをできるようになってくればバッチリです。

そして、私たちはついつい施行中のことに気をとらわれがちですが、前後の看護も合わせて一連の看護だという意識も忘れずに。こんな風に一つ一つ見直してみると、技術マニュアルには記載されない様々な視点に気づくのではないでしょうか。

最後に。半年経ち、徐々に病棟のチームの一員として働き始めている頃ですよね。夜勤も含め、受け持ち人数も、先輩とほとんど変わらないかもしれません。自宅での振り返りや自己学習も大切ですが、目の前の患者さんのことで悩んだら、周りの人に相談することも恐れないでくださいね。
第7回 自分のマルを深めるの巻

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)