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医教の国試対策勉強法

医教の国試対策勉強法|【第16回】全11科目別国家試験対策「母性看護学」(2017.11.10)

このコーナーでは、第107回国家試験に向けた医教オリジナルの国試対策を隔週で紹介していきます。全11科目を基本的に2回に分けて解説。パート1で過去問学習を基本にしたアプローチ、パート2で『平成30年度新出題基準』を分析した新傾向に沿ったアプローチを行います。「むずかしい」と言われた106回国試ですが、ていねいに出題者の意図を探れば、決して手も足も出ない問題ではありません。過去と類似した問題からは「基本的なことはしっかり身につけてほしい」という意図が、新傾向の問題からは「分野のワクをまたがった、総合的な知識を身につけてほしい」という意図がみえます。つまり、看護の現場で力を発揮できる知識ですね。科目ごとに振り返り、皆さんも力をつけて107回国試に臨みましょう。

【医教オススメの過去問学習のポイント】
早押しクイズのように「これを問われたらこれ」と、正解選択肢を覚えてしまう学習では、昨今の「考えさせる国試」に対応できません。そこで、医教からの提案です。
過去問学習の際には、次の2つのポイントを意識してみてください。
(1)出題者の意図まで把握できる、分野をまたがった総合的な知識を身につける。
(2)選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのか理解する。

ポイント(1)の「分野をまたがった総合的な知識」があると、ポイント(2)の選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのかが理解できます。逆に(2)ができているようなら、総合的な知識が身についていると言えます。(1)と(2)は密接にリンクしているんですね。学習の際にも、実習や座学で身につけた(1)から(2)へのアプローチや、その逆の(2)から(1)へのフィードバックによって、生きた知識が身につきます。

【誤肢の存在意義をないがしろにしない】
誤肢はただ間違っている選択肢ではありません。思わず「うまい!」とうなってしまう奥深い誤肢が国試にはたくさん隠れており、近年それがさらに目立ってきました。誤肢の理解によってぐっと学習が進み、複合的なテーマの問題に出合った時にも慌てずにすみます。

今回の「母性看護学」では、「過去問学習を基本にしたアプローチ(パート1)」と「新出題基準の新傾向に沿ったアプローチ(パート2)」をあわせてお届けします。まずは「過去問学習を基本にしたアプローチ(パート1)」。106回の問題(☆)、次に過去の類似問題(★)をみてみましょう。

【例1】

☆第106回午前問題87:Aさん(30歳、女性)。月経周期は28日型で規則的である。5日間月経があり、現在、月経終了後14日が経過した。この時期のAさんの状態で推定されるのはどれか。2つ選べ。

  1.  1.排卵後である。← 月経開始から14日程度で排卵が起こるため、Aさんは排卵後5日目くらいである。
  2.  2.乳房緊満感がある。← 排卵後はプロゲステロンの分泌が増加する。プロゲステロンは、乳房に対して乳腺の腺房の発達を刺激するため、乳房に緊満感が生じる。
  3. × 3.子宮内膜は増殖期である。← 受精卵が着床しやすいよう、排卵後の子宮内膜は分泌期となる。
  4. × 4.基礎体温は低温相である。← プロゲステロンは体温上昇作用を持つため、排卵後は高温相となる。
  5. × 5.子宮頸管の粘液量が増加する。← 排卵前の卵胞期は、増加したエストロゲンの変化を受けて、頸管粘液量が増加し、牽糸性が増して約10㎝以上伸びるようになる。排卵期には妊娠の成立を確実にするため粘液量はさらに増すが、排卵後の黄体期になると、頸管粘液量は減少し、牽糸性が低下する。

●性周期とホルモンの作用

【過去の類似問題】

★第104回午後問題65(母性看護学)正常な月経周期に伴う変化で正しいのはどれか。

  1.  1.排卵期には頸管粘液が増量する。← 頸管粘液が増加し、牽糸性が高まる。
  2. × 2.月経の直後は浮腫が生じやすい。← 妊娠に備えるため、排卵前に黄体形成ホルモンが体に水分を蓄えようとするので浮腫が生じやすい。月経直後ではない。
  3. × 3.黄体から黄体形成ホルモン〈LH〉が分泌される。← 黄体からはプロゲステロンが分泌される。LHは排卵後の卵胞に作用して黄体を形成させる。
  4. × 4.基礎体温は月経終了後から徐々に上昇して高温相になる。← 排卵前(月経終了後)の卵胞期は低温相、排卵後の黄体期に高温相となる。

【その他の過去の類似問題】

★第98回PM72(母性看護学)性周期とホルモンについて正しいのはどれか。 1.卵胞期の体温は上昇する。× 2.卵胞刺激ホルモン(FSH)は視床下部から分泌される。× 3.妊娠が成立しない場合の黄体の寿命は20日間である。× 4.成熟卵胞に黄体化ホルモン(LH)が作用して排卵が起きる。○
★第100回AM72(母性看護学)性周期で正しいのはどれか。 1.卵胞はプロゲステロンの作用で発育する。× 2.子宮内膜はエストロゲンによって増殖する。○ 3.排卵後に黄体化ホルモン〈LH〉の分泌が急激に増加する。× 4.受精が成立しないと、卵胞は白体を経て黄体になる。×
★第101回PM72(母性看護学)女性の生殖機能について正しいのはどれか。 1.子宮内膜は排卵後に増殖期となる。× 2.黄体期の基礎体温は低温期となる。× 3.エストロゲンは卵巣から分泌される。○ 4.排卵された卵子の受精能は約72時間である。×
★第103回PM106(母性看護学)Aさん(17歳、女子、高校生)は、3か月前から月経初日に腹痛や腰痛が生じて、学校を休むようになったため婦人科を受診した。Aさんの月経周期は26~34日、持続日数は4~6日である。Aさんはコーヒーを毎朝1杯飲んでおり、運動習慣はない。Aさんは身長162cm、体重55kgであり、既往歴に特記すべきことはない。
看護師はAさんの最近の月経状況について情報収集をした。月経時は普通サイズのパッドで対処しており、凝血塊が混じることはない。9月と10月のカレンダーを示す。ただし、○は月経日を示す。Aさんの月経周期を求めよ。

(答・33日〔月経周期は月経開始1日目から数える〕)*妊娠週数も最終月経1日目を起点として計算する

【106回国試〔例1〕の特徴】
性周期に関する問題は定番であり頻出、そして内容もほぼ同じものが繰り返し出題されています。もちろん、ここがものすごく重要であるということですね。覚えるべきポイントは排卵前後の人体の変化ということです。この仕組みを見ていくと、女性の体は子孫を残すという生物の役割を前提に構成されているのだと実感します。その仕組みを維持しているのがホルモンです。エストロゲンとプロゲステロン、そして卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)。主にこの4つのホルモンが妊娠(受精卵がうまく着床できて順調に育っていく)に向けて子宮内の環境を整えているのですね。月経によってこの環境は一度すっきりとリセットされますが、その後ひと月かけてコツコツと人体は子孫を残すべく環境作りを始めるわけです。ホルモンの名前、排卵前か後かを暗記するのではなく、ストーリーとして流れをつかむと理解しやすいですね。月経周期、妊娠週数、分娩予定日などは「月経開始1日目から計算」は覚えておくと便利です。

さて次に「新出題基準の新傾向に沿ったアプローチ(パート2)」をしてみましょう。

平成22・26年版出題基準は目標が3つでしたが、平成30年版では4目標となりました。
平成30年版出題基準

目標I.リプロダクティブ・ヘルスの基礎(概念、生理、倫理、法・制度)や動向および看護の基本的な理解を問う。
目標II.ウィメンズヘルスに関する看護の基本的な理解を問う。
目標III.妊娠・分娩・産褥期および早期新生児期における看護について基本的な理解を問う。
目標IV.周産期医療のシステムと母子保健施策の活用についての基本的な理解を問う。

目標I~IIIはそれまでの目標を再構成したものともいえますが、「リプロダクティブ・ヘルス」(これは平成26年版出題基準で一度消えましたが復活!)「ウィメンズヘルス」といった言葉をはっきりと打ち出すことによって、よりその概念の重要性を明確にしています。また、目標IVは周産期にまつわる「医療」「保健施策」を改めて打ち出すことによって、看護と医療システムのチーム医療、社会資源の活用支援なども看護師の役割として重要であることが示されています。
さてでは、「リプロダクティブ・ヘルス」と「ウィメンズヘルス」という言葉が打ち出している「母性看護学」の傾向とはどういうものなのでしょうか。
「リプロダクティブ・ヘルス」とは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指します。また、「ウィメンズヘルス」は、単に母性の健康という概念ではなく、生涯を通じた女性の健康に関する考えとして打ち出されています。ここ何年かの出題傾向からも明らかなように、思春期、成人期、老年期を通した女性の一生涯を身体的変化、精神的変化そして社会的変化も含めて考えるようになってきました。女性は出産・育児、家事とともに仕事をし、自らの意思で人生を全うする存在であり、社会的にその存在をサポートしていく看護を目指すべきという考え方が現れています。

【例2】(目標II.ウィメンズヘルスに関する看護の基本的な理解を問う。)

☆106回午後問題53成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。

  1.  1.経口避妊薬は女性が主導で使用できる。← 「リプロダクティブ・ヘルス」と「ウィメンズヘルス」の観点からも正解である。
  2. × 2.コンドーム法の避妊効果は99%以上である。← 一般的使用法において、失敗率は14%に達するといわれている。
  3. × 3.基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。← 基礎体温法は一定の月経周期を利用して、排卵日を確認し、妊娠の可能性が高い時期を避ける方法である。
  4. × 4.子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。← 子宮内に挿入するため、未産婦より経産婦に方が挿入しやすい。

「母性看護学」において「妊娠・避妊」に関する問題内容に、ここ10年で出題基準の目標の変化が見て取れます。
第98回PM73(我が国における家族計画の意義で適切なのはどれか。 1.人口を抑制する。× 2.母体の健康を守る。◯ 3.性感染症を予防する。× 4.避妊の知識を普及させる。×)、第104回AM81(不妊症について正しいのはどれか。 1.6か月間避妊せずに性交渉があっても妊娠しない状態である。× 2.頻度は妊娠を希望し避妊しないカップル10組に3組である。× 3.体外受精に要する費用の公的な助成制度がある。◯ 4.女性の年齢と不妊症の治療効果は関係しない。× 5.男性側の原因は7割程度である。×)とこのあたりまでは「妊娠女性に対するケア」が中心となっているように思いますが、第105回AM56(低用量経口避妊薬について正しいのはどれか。 1.血栓症のリスクは増加しない。× 2.1日飲み忘れたときは中止する。× 3.授乳期間を通じて内服は可能である。× 4.副効用に月経前症候群〈PMS〉の軽減がある。◯)、そして今回の第106回PM53の正解「1.経口避妊薬は女性が主導で使用できる。」では、明らかに「妊娠を視野に入れた女性に対する看護」という方針が感じ取れるのではないでしょうか。
ちなみに、女性の受胎調整・避妊法については、「日本産婦人科学会・避妊法」に詳しい情報が載っていますので、一度眺めておくと良いでしょう。

【107回国試に向けた「母性看護学」の学習ポイント】
「リプロダクティブ・ヘルス」と「ウィメンズヘルス」という言葉の概念をかみくだいて自分のものにしてしまいましょう。カタカナ語でややこしいように感じますが、とても普通のことを言っています。
そもそも人類が子孫を残していくための仕組みが女性の体には備わっている(4つのホルモンと臓器の関係をストーリーで覚える)→ けれど人体はどの部分であれ、一つや二つ正常な状態から外れることもあるので原因を探して治療する(月経異常や不妊)→ それでも希望が叶えられない場合は精神的なサポートをし、希望が叶う場合でも妊娠・出産・育児によって変化する女性の生活をサポートする。→ 現在の日本は少子化問題が深刻となっている一方で働く女性の活躍が奨励されている。→ 当然、国のサポート体制が充実してくる。女性の権利保護にも積極的である(DV法など)→ サポート情報を女性に伝える。→ 女性は自分の体に与えられた母性とうまく付き合っていく。
このような視点を持って母性看護学の国試過去問題を丁寧に解いてみましょう。周産期の問題でも周産期外の問題でも学習ポイントが明確になりますよ~~~ヾ(〃^∇^)o

【追記】
生理用品の会社であるユニチャームのHPにも女性の生理や年齢による女性の体の変化に関する記事がよくまとまって載っています。状況設定問題を解くヒントにもなりますので、一度眺めておくと良いかもしれません。
https://www.sofy.jp/ja/advice/period-changes/11.html

さて次回のテーマは「精神看護学」パート1です。第106回国試と過去問についてご紹介いたします。

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