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医教の国試対策勉強法

医教の国試対策勉強法|【第15回】全11科目別国家試験対策「小児看護学」パート2(2017.10.27)

このコーナーでは、第107回国家試験に向けた医教オリジナルの国試対策を隔週で紹介していきます。全11科目を基本的に2回に分けて解説。パート1で過去問学習を基本にしたアプローチ、パート2で『平成30年度新出題基準』を分析した新傾向に沿ったアプローチを行います。「むずかしい」と言われた106回国試ですが、ていねいに出題者の意図を探れば、決して手も足も出ない問題ではありません。過去と類似した問題からは「基本的なことはしっかり身につけてほしい」という意図が、新傾向の問題からは「分野のワクをまたがった、総合的な知識を身につけてほしい」という意図がみえます。つまり、看護の現場で力を発揮できる知識ですね。科目ごとに振り返り、皆さんも力をつけて107回国試に臨みましょう。

【医教オススメの過去問学習のポイント】
早押しクイズのように「これを問われたらこれ」と、正解選択肢を覚えてしまう学習では、昨今の「考えさせる国試」に対応できません。そこで、医教からの提案です。
過去問学習の際には、次の2つのポイントを意識してみてください。
(1)出題者の意図まで把握できる、分野をまたがった総合的な知識を身につける。
(2)選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのか理解する。

ポイント(1)の「分野をまたがった総合的な知識」があると、ポイント(2)の選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのかが理解できます。逆に(2)ができているようなら、総合的な知識が身についていると言えます。(1)と(2)は密接にリンクしているんですね。学習の際にも、実習や座学で身につけた(1)から(2)へのアプローチや、その逆の(2)から(1)へのフィードバックによって、生きた知識が身につきます。

【誤肢の存在意義をないがしろにしない】
誤肢はただ間違っている選択肢ではありません。思わず「うまい!」とうなってしまう奥深い誤肢が国試にはたくさん隠れており、近年それがさらに目立ってきました。誤肢の理解によってぐっと学習が進み、複合的なテーマの問題に出合った時にも慌てずにすみます。

さて、今回「小児看護学」パート2では『平成30年版 看護師国家試験出題基準』に照らして106回国試問題を分析し、新しい傾向を把握してみようと思います。小児看護学の出題基準は、前回の平成26年の出題基準に出てくる項目とさほど変わりないように見えますが、目標間、小項目⇔中項目⇔大項目間の移動がたっぷりあり、新しい切り口の中項目が登場したり、小項目がかなり具体的に記されたりなど、細かく見ていくとなかなか面白い変化が見て取れます。まずは、平成22・26年版、そして今回の平成30年版に掲げられた科目の目標の変化を眺めてみましょう。

【小児看護学】

平成22年版出題基準

目標I:
子どもの成長・発達と健康増進のための子どもと家族への看護実践についての理解を問う。
目標II:
健康障害のある子どもと家族が生活・療養するための看護実践についての理解を問う。

平成26年版出題基準

目標I:
小児の成長・発達と健康増進のための小児と家族への看護について基本的な理解を問う。
目標II:
健康障害のある小児と家族が生活・療養するための看護について基本的な理解を問う。

平成30年版出題基準

目標I:
子どもの成長・発達と健康増進のための子どもと家族への看護について基本的な理解を問う。
目標II:
病気や診療・入院が子どもと家族へ与える影響と看護について基本的な理解を問う。
目標III:
特別な状況にある子どもと家族への看護について基本的な理解を問う。
目標IV:
健康課題をもつ子どもと家族への看護について基本的な理解を問う。

【目標I】は平成22年、26年、30年ともに文言的にはほとんど変化はありません。ところが細かく見ていくと、ちょっとしたことですが面白い変化が見て取れます。それは「家族の育児技術の獲得」という小項目。新生児期、乳児期、幼児期それぞれ同時に追加されました。この時期の育児技術に関する知識が看護学に必要であると国が判断したことになります。先天性疾患のある子どもの「養育とケア技術獲得」については以前の出題基準からありましたが、それと合わせて家族の育児・養育技術の獲得援助が医療者の役割として重要視され始めたということではないでしょうか。また、小児の各発達段階の成長・発達の特徴を「神経系」「運動器系」「呼吸器系」など各器官に分けた小項目が登場、学童期の生活支援として生活習慣病の予防は以前からありましたが、「肥満や食生活の乱れ」「う歯の予防」「近視の予防」「スポーツ外傷の予防」「学校感染症の予防」が新登場、また思春期の生活支援として「喫煙・飲酒の防止」「不登校の実態と支援」「いじめ・校内暴力の防止」「自殺の防止」といった具体的な小項目も登場しました。
平成30年の【目標II~IV】に関しては、平成22年、26年の目標IIを再編し、分類し直したものと考えられますが、大きな特徴として【目標II−5】の「検査や処置を受ける子どもと家族への看護」が挙げられます。この項目は以前中項目だったものが大項目に格上げされ、小項目もほぼそのままですが、中項目にA.「診療(検査、処置)に伴う技術と看護」 B.「プレパレーションと看護」が加わり、小児の診療(検査、処置)に関して、「技術・看護・プレパレーション」を一体的に学習する必要性を示していると思われます。
【目標III】では、被虐待児、被災害児に関する看護を取り上げていますが、以前の出題基準にもあったこの項目をわざわざ目標IIIとして独立させたところに国の注目度が見て取れますね。
【目標IV】は、ほぼ平成22年、26年の出題基準と顔つきは同じになっています。そんな中で気になったのは、「慢性的な疾患・障害のある子どもと家族」の「心身障害のある子どもと家族への看護」の小項目に「重症障害児と家族」「医療的ケアの必要な超重症児と家族」が追加されていることでしょうか。近年の国の対策によって増加傾向にある「在宅療養」を念頭に置いて、医療ケアが必要とされている患者においても、家族によるケアや養育を期待した「家族指導」が行われ、また家族を対象とした看護知識も学ぶべきという考え方が反映されていると思います(第106回午前問題103-105「脳性麻痺」の状況設定問題にこのあたりが反映されていると思います)。「在宅医療」「在宅看護」制度が進むにつれ、子どもを保護する家族の役割と負担はますます増えていくと考えられますね(これは高齢者についても同様のことが言えます)。
その家族の負担をサポートしていくのが、社会資源活用と多職種連携ではないでしょうか。そういえば、平成26年の出題基準では「他職種」だった文言が「多職種」に変わったことにお気づきでしょうか。。。誤植を訂正したんじゃない? との声も聞かれましたが(笑)、これは昨今の医療・看護・介護のあり方の変化を反映していると考えてもよさそうです。他職種だと各分野の専門職がそれぞれ自分の役割をこなしていって、他の職種とリンクしていくという印象が強いように思います。一方、多職種という表現では1つの目的(1人の患者)に向かって多くの専門職が協働していくというイメージがつきやすいようです。多職種の連携の動きは医療・看護・介護の全分野に共通する需要であり課題であると考えられますね。

それでは例をあげて考えてみましょう。【例1】【例2】とも超難問だったといえます。

【例1】

☆午後問題51 外性器異常が疑われた新生児の親への対応として適切なのはどれか。
  1. × 1.出生直後に性別を伝える。← 外性器異常は性分化疾患のひとつと考えられる。性分化疾患とは卵巣・精巣や性器の発育が非典型的である状態であり、性別の判定には検査が必要となるため、出生直後の告知は不可能である。
  2. × 2.内性器には異常がないことを伝える。← 性分化過程に関与する「染色体」「性線」「内性器」「外性器」のうち複数の段階で異常がある場合もあるので、検査をしてみないと異常がないとは言い切れない。
  3. × 3.出生直後に母児の早期接触を行わない。← 外性器異常が母児接触を禁ずる理由とはならない。
  4.  4.出生届は性別保留で提出できることを説明する。← 戸籍法第49条において性別の提出が定められているが、戸籍の未載について、『男女性別は未載可、医師の証明書を添付し「追完」できる。いずれの場合も「追完」の記録が残る。』とされている。

上記解答・解説参照HPは、

  1. (1)難病センター「内分泌疾患分野 性分化疾患(平成23年度)」
  2. (2)「性分化疾患の診断と治療(日本小児内分泌学会 性分化・副腎疾患委員会)」
  3. (3)「新生児の外性器異常をみたら(あいち小児保健医療総合センター)」

もう1つ、例をみてみましょう。

【例2】

☆午後問題71 生後1か月の男児。ヒルシュスプルング病と診断され、生後6日、回腸部にストーマ造設術を行った。術後の経過は良好であり、退院に向けてストーマケアに関する指導を行うことになった。
母親に対する指導として適切なのはどれか。
  1. × 1.「面板をはがした部位はタオルで拭いてください」 ← 便中には消化液が含まれるため、短時間でも皮膚に触れると、皮膚炎を起こしやすい。ストーマと、ストーマ周囲皮膚に付着した便をティッシュで拭き取り、その後、石けんとぬるま湯でストーマ周囲皮膚を洗う。
  2. × 2.「ストーマ装具の交換は授乳直後に行ってください」 ← ミルクや食事を与えた直後は便や尿がたくさん出てくるので、なるべく授乳前に交換する。
  3. × 3.「ストーマから水様の便が出る時は受診してください」 ← 消化管ストーマには、大腸ストーマと小腸(回腸)ストーマがあり、回腸ストーマの場合、水分を吸収する大腸を通らないため、便はゆるい液状で非常に流れやすく、頻繁に排泄されるため、正常の状態である。
  4. × 4.「ストーマ装具の交換は滅菌手袋を装着して行ってください」 ← 装具を交換する側の清潔保持のため、手袋装着の必要はあるが、滅菌手袋である必要はない。
  5. 5.「ストーマ装具は便を捨てる部分が体の外側に向くように貼ってください」 ← 内側にあると便が捨てにくいため、外側に向けて貼る。

上記解答・解説参照HPは、

  1. (1)難病センター「ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)(指定難病291)」
  2. (2)小児ストーマ(アルメディアWEB)
     「ストーマとは」
     「装具交換の手順」
     「装具交換のコツ」

【107回国試に向けた「小児看護学」の学習ポイント】
今回、【例1】【例2】の○×を精査するにあたって、両方とも難病に分類される疾患であるため、難病センターのHPを見てみたわけですが、疾患に関する情報だけではこれらの問題に○×をつけることができませんでした。パート1の学習ポイントで「教科書の熟読」と申し上げましたが、これら臨床を意識した選択肢については教科書にもそれほど詳しくは載っていませんでした。参考にしたのは専門の学会で出されている報告書や医療センターのHP、そして医療器具メーカーのHPなど(小児ストーマに関しては、成人のストーマと共通項が多いので、そういう意味では疾患名に惑わされずに解けた人がいたかもしれません)。この2問に関する国試対策はお手上げという感が漂っておりますが、「小児看護学」では、児童の保護者である家族への手技指導までが看護であると、再確認する必要があるのではないでしょうかc(>ω<)ゞ

次回のテーマは「母性看護学」。国試の分析と対策をご紹介いたします。

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