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医教の国試対策勉強法

医教の国試対策勉強法|【第12回】全11科目別国家試験対策「在宅看護論」パート2(2017.09.15)

このコーナーでは、第107回国家試験に向けた医教オリジナルの国試対策を隔週で紹介していきます。全11科目を基本的に2回に分けて解説。パート1で過去問学習を基本にしたアプローチ、パート2で『平成30年度新出題基準』を分析した新傾向に沿ったアプローチを行います。「むずかしい」と言われた106回国試ですが、ていねいに出題者の意図を探れば、決して手も足も出ない問題ではありません。過去と類似した問題からは「基本的なことはしっかり身につけてほしい」という意図が、新傾向の問題からは「分野のワクをまたがった、総合的な知識を身につけてほしい」という意図がみえます。つまり、看護の現場で力を発揮できる知識ですね。科目ごとに振り返り、皆さんも力をつけて107回国試に臨みましょう。

【医教オススメの過去問学習のポイント】
早押しクイズのように「これを問われたらこれ」と、正解選択肢を覚えてしまう学習では、昨今の「考えさせる国試」に対応できません。そこで、医教からの提案です。
過去問学習の際には、次の2つのポイントを意識してみてください。
(1)出題者の意図まで把握できる、分野をまたがった総合的な知識を身につける。
(2)選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのか理解する。

ポイント(1)の「分野をまたがった総合的な知識」があると、ポイント(2)の選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのかが理解できます。逆に(2)ができているようなら、総合的な知識が身についていると言えます。(1)と(2)は密接にリンクしているんですね。学習の際にも、実習や座学で身につけた(1)から(2)へのアプローチや、その逆の(2)から(1)へのフィードバックによって、生きた知識が身につきます。

【誤肢の存在意義をないがしろにしない】
誤肢はただ間違っている選択肢ではありません。思わず「うまい!」とうなってしまう奥深い誤肢が国試にはたくさん隠れており、近年それがさらに目立ってきました。誤肢の理解によってぐっと学習が進み、複合的なテーマの問題に出合った時にも慌てずにすみます。

さて、今回は「在宅看護論」パート2。『平成30年版 看護師国家試験出題基準』を分析して新しい傾向を把握してみましょう。特徴としては目標数が増えたことが挙げられるでしょう。新設の目標IIIには国の新システムが関係しています。まずは、平成2226年版、そして今回の平成30年版に掲げられた科目の目標の変化を眺めてみます。

【在宅看護論】

平成22年版出題基準

目標I:
在宅看護の特徴と在宅療養者および家族についての理解を問う。
目標II:
在宅における看護実践についての理解を問う。

平成26年版出題基準

目標I:
在宅看護の特徴、在宅療養者及び家族について基本的な理解を問う。
目標II:
在宅における看護について基本的な理解を問う。

平成30年版出題基準

目標I:
在宅看護における対象と基盤となる概念安全と健康危機管理について基本的な理解を問う。
目標II:
在宅療養者の特徴を理解し、病期や状況に応じて展開する在宅看護について基本的な理解を問う。
目標III:
地域包括ケアシステムにおける在宅看護の位置付けと看護の役割について基本的な理解を問う。

平成30年版では、目標I、目標IIでは、多少新しい表現が入っていますが、内容はほぼ平成26年版の出題基準と同じです。くくり方を少し変えたという感じですね。目標IIIの「地域包括ケアシステムにおける在宅看護の位置付けと看護の役割について基本的な理解を問う。」は平成30年版において初めて新設された目標内容となります。もちろん、内容的には今までの出題基準のそこここに散りばめられていたテーマですが、それらをしっかりまとめあげ目標IIIとして大々的にデビューしたという感じでしょうか。

ところで「地域包括ケアシステム」とは、何のことでしょうか。

地域包括ケアシステムは、厚生労働省によって2025(平成37)年をめどに進められている「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるような包括的な支援・サービス提供体制の 構築を目指すシステム」のことです。「介護」「医療」「予防」「生活支援サービス」「住まい」という5つの要素を基に構成されており、より詳細に言うと「介護・リハビリテーション」「医療・看護」「保健・予防」「福祉・生活支援」「住まいと住まい方」となるようです。これらの考え方が地域における在宅看護と結びついて「在宅看護論」の出題基準の目標IIIとしてどーんと登場したのですね。

それでは106回の国試例をあげて考えてみましょう。

【例1】(目標III:地域包括ケアシステムにおける在宅看護の位置付けと看護の役割について基本的な理解を問う。III-10-A-a〔サービスの統合、ケアの継続性〕

☆午前問題65 訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。
  1. × 1.訪問看護報告書は外来看護師に提出する。← 訪問看護報告書や訪問看護計画書は主治医に提出する。
  2. × 2.利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。← 「医療従事者は、患者の診療のため必要がある場合には、患者の同意を得て、その患者を診療した又は現に診療している他の医療従事者に対して、診療情報の提供を求めることができる(厚生労働省『診療情報の提供等に関する指針』)」
  3.  3.利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。← 医療材料が在宅でどのように使用されているか、不足はないかの情報を外来看護師と共有し、利用者の療養環境を援助する。
  4. × 4.訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。← 外来診察の予約は利用者本人が予約する。訪問看護師が代行する場合も外来の受付に連絡する。

平成26年度の出題基準の目標Iには「医療機関との連携」という中項目、「地域連携パス」「外来・地域連携部門との看看連携」「他職種との連携・協働」という小項目があったのですが、これらが平成30年度の出題基準目標IIIで大きく育ちました。平成30年版から「看看連携」という言葉はなくなりましたが、この106回午前問題65ではまさに、訪問看護と外来看護の「看看連携」がテーマとなっています。病院治療から在宅治療移行の流れにおいて、両者の役割が重要視されています。過去問の退院支援の問題よりも一歩踏み込んだ内容だと思います。〔第103回午前問題47(在宅医療が必要な患者の退院調整について適切なのはどれか。 1.医師が退院調整の決定権をもつ。× 2.退院調整は入院時から開始する。◯ 3.退院時に診療録を訪問看護師に渡す。× 4.退院前の訪問指導は診療報酬の評価の対象ではない。×)/第103回午前問題69(在宅療養者の訪問看護計画で適切なのはどれか。 1.計画は修正しない。× 2.初回訪問の印象を重視する。× 3.療養者の合意が必要である。◯ 4.家族が行っている介護の状況は含めない。×)

もう1つ、出題基準の目標IIIに当てはまると思われる例をあげてみましょう。

【例2】(目標III:地域包括ケアシステムにおける在宅看護の位置付けと看護の役割について基本的な理解を問う。III-10-A-c〔多様化したニーズへの対応〕

☆午前問題120 Aさん(70歳、男性)は、妻と長男との3人暮らしである。左被殻出血で入院し、歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行い自宅に退院した。退院時の検査所見は、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール140mg/dL、トリグリセリド150mg/dLであった。退院後、週1回の訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、血圧は降圧薬の内服で130/80mmHgであった。右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語があり、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動していた。Aさん宅は、酒屋を自営しており、1階は店舗、トイレおよび浴室、2階に居室がある。各階の移動は手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは構造上できない。Aさんは「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話した。
訪問看護計画に取り入れる内容で最も優先度が高いのはどれか。
  1. × 1.言語訓練← 入院時に行われているため、Aさん自身がある程度訓練法を習得している可能性が高い。また、「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話すなど、一応会話でのコミュニケーションが取れているため、優先度は低い。
  2. × 2.食事指導← 退院時のHDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドは脂質異常症の診断基準を大きくは超えていないので、まずは経過を観察する。
  3. × 3.内服薬の管理← 初回訪問の時点では130/80mmHgと血圧薬の内服は管理できている。
  4. × 4.排便コントロール← Aさんの排便コントロールに関する情報はない。
  5. 5.階段を昇降する練習← Aさんは一本杖や手すりを利用して自宅内を移動できているため残存機能の維持向上を計画にとりいれる。また階下にある店舗で親しい客に会うのが楽しみというAさんのニーズを考慮することによってAさんのQOL向上も目指す。

「訪問看護師がアセスメントすべき」Aさんに関する情報がこの問題にはたくさん入っています。
それぞれ抜き出してみて、情報をまとめてみるとわかりやすいですね。

  • 退院前:歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行う。
  • 退院時:検査所見HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール140mg/dL、トリグリセリド150mg/dL
  • 初回訪問時の健康状態:血圧130/80mmHg(降圧薬の内服OK)、右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語(ある程度の会話可能)、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動(歩行機能がある程度保たれている)。
  • 住宅事情:自宅は1階に酒屋店舗・トイレ・浴室、2階に居室、手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは不可。
  • Aさんの思い:「(階下の)店に出て親しい客に会うのが楽しみ」

以上の情報をアセスメントし、残存機能の維持向上やAさんのQOL向上などに対応するためにどう看護計画を立てていくのかを問う問題ですが、5を正解としている点が、「多様化したニーズ」に対応できる看護アセスメントがこれからの在宅看護に必要になってくるのでは、というメッセージではないでしょうか。

【107回国試に向けた「在宅看護論」の学習ポイント】!

「地域包括ケアシステム」についてしっかり内容を把握しておくことが大切です。厚生労働省のホームページ「地域包括ケアシステム」に詳しい説明が載っていますので、ぜひ一度眺めておきましょう。O(≧▽≦)O

さて次回は「状況設定問題」についてお届けします。科目ごとの傾向をお伝えします。

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