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医教の国試対策勉強法

医教の国試対策勉強法|【第9回】全11科目別国家試験対策「成人看護学」パート2(2017.08.04)

このコーナーでは、第107回国家試験に向けた医教オリジナルの国試対策を隔週で紹介していきます。全11科目を基本的に2回に分けて解説。パート1で過去問学習を基本にしたアプローチ、パート2で『平成30年度新出題基準』を分析した新傾向に沿ったアプローチを行います。「むずかしい」と言われた106回国試ですが、ていねいに出題者の意図を探れば、決して手も足も出ない問題ではありません。過去と類似した問題からは「基本的なことはしっかり身につけてほしい」という意図が、新傾向の問題からは「分野のワクをまたがった、総合的な知識を身につけてほしい」という意図がみえます。つまり、看護の現場で力を発揮できる知識ですね。科目ごとに振り返り、皆さんも力をつけて107回国試に臨みましょう。

【医教オススメの過去問学習のポイント】
早押しクイズのように「これを問われたらこれ」と、正解選択肢を覚えてしまう学習では、昨今の「考えさせる国試」に対応できません。そこで、医教からの提案です。
過去問学習の際には、次の2つのポイントを意識してみてください。
(1)出題者の意図まで把握できる、分野をまたがった総合的な知識を身につける。
(2)選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのか理解する。

ポイント(1)の「分野をまたがった総合的な知識」があると、ポイント(2)の選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのかが理解できます。逆に(2)ができているようなら、総合的な知識が身についていると言えます。(1)と(2)は密接にリンクしているんですね。学習の際にも、実習や座学で身につけた(1)から(2)へのアプローチや、その逆の(2)から(1)へのフィードバックによって、生きた知識が身につきます。

【誤肢の存在意義をないがしろにしない】
誤肢はただ間違っている選択肢ではありません。思わず「うまい!」とうなってしまう奥深い誤肢が国試にはたくさん隠れており、近年それがさらに目立ってきました。誤肢の理解によってぐっと学習が進み、複合的なテーマの問題に出合った時にも慌てずにすみます。

さて、今回「成人看護学」パート2でも『平成30年版 看護師国家試験出題基準』に照らして106回国試問題を分析し、新しい傾向を把握してみようと思います。今回、成人看護学の出題基準はかなりの変化がありましたので、じっくり見ていくと国試の傾向が必ず見えてきます。まずは、平成2226年版、そして今回の平成30年版に掲げられた科目の目標の変化を眺めてみましょう。

【成人看護学】

平成22年版出題基準

目標I:
成人の生活と健康についての理解を問う。
目標II:
成人を看護するときの基本的なアプローチについての理解を問う。
目標III:
成人の健康レベルに応じた看護実践についての理解を問う。
目標IV:
機能障害のある成人への看護実践についての理解を問う。

平成26年版出題基準

目標I:
成人各期の健康保持や疾病予防について基本的な理解を問う。
目標II:
成人の健康問題に応じた看護について基本的な理解を問う。
目標III:
機能障害のある成人への看護について基本的な理解を問う。

平成30年版出題基準

目標I:
成人各期の健康保持・増進や疾病の予防について基本的な理解を問う。
目標II:
急性期にある患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。
目標III:
慢性疾患がある患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。
目標IV:
リハビリテーションの特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。
目標V:
がん患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。
目標VI:
終末期にある患者、および緩和ケアを必要とする患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。
目標VII:
各機能障害のある患者の特徴および病期や障害に応じた看護について基本的な理解を問う。

平成26年版の目標Iに「健康保持」「疾病予防」の文字がみられます。一次予防の概念が世の中に定着してきたことと関連があるかもしれません。このころから成人に対する特定健康診査、特定保健指導などの制度が充実してきたといえるでしょう。103回国試での出題例もありますね(103回追試AM84)。そして平成30年版の出題基準。明らかに目標の数が増えています。平成26年版の目標IIにあった「成人の健康問題に応じた看護」が「急性期」「慢性期」「リハビリテーション」「がん患者」「終末期にある患者、および緩和ケアを必要とする患者」という具合に細分化され、明記されたということでしょうか。もともと出題基準の大項目、中項目ではみられていた分類ですが、さらに目標に掲げられるようになりました。そして、注目すべきは「看護を展開するための」という言葉。II~IVに振り分けられた目標すべてに明記されています。今回の国試、「成人看護学」なのになんとなく「基礎看護学」っぽいなと思った人も少なくないのではないでしょうか。どの科目も「看護を展開するため」に学んでいることを再確認する感じですね。

それでは例をあげて考えてみましょう。

【例1】(目標V:がん患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。)

☆午前問題49 点滴静脈内注射によって抗癌薬を投与している患者の看護で適切なのはどれか。
  1.  1.悪心は薬で緩和する。← 吐き気を抑える制吐剤は我慢せずに積極的に内服することが推奨されている。吐き気が強い際には坐薬を用いることができる。
  2. × 2.留置針は原則として手背に挿入する。← 抗癌薬の点滴は、腕の静脈や中心静脈などの大きな血管に留置針などを使用して行う。留置針は内筒と外筒からなり、穿刺した後に金属部分の内筒を引き抜いて、柔らかい外筒のみが静脈内に留置される形になる。柔らかい部分が血管内に入っているだけなので何度も刺して患者に痛い思いをさせずに済み、留置されている間は体を動かしても痛くない。
  3. × 3.血管痛がある場合は直ちに留置針を差し替える。← 細胞毒性のある抗癌薬液が血管外に漏れている可能性があるので、ただちに注入を中止し留置針を抜去して原因を確認する。
  4. × 4.2回目以降の投与では過敏症の症状の確認は必要ない。← 抗癌薬は初回投与時からアナフィラキシーショックなどの過敏症を発症することがある。いつ発症するかわからないので、その都度確認する。

抗癌薬の点滴に関する問題は「基礎看護学」の定番問題といえます。〔第96回午前問題77(抗癌薬を末梢から点滴静脈内注射している患者の訴えで、緊急度が最も高いのはどれか。 1.嘔気 × 2.倦怠感 × 3.刺入部痛 ◯ 4.食欲不振 ×〈血管漏洩の発見〉)/第100回午前問題88(抗癌薬の静脈内注射を開始した直後に注意すべき観察項目はどれか。2つ選べ。 1.頻脈 ◯ 2.脱毛 × 3.血圧の低下 ◯ 4.口腔粘膜炎 × 5.白血球数の減少 ×〈過敏症・アナフィラキシーショックの観察〉)/第104回午後問題42(抗癌薬の点滴静脈内注射中の患者が刺入部の腫脹と軽い痛みを訴え、看護師が確認した。直ちに行うのはどれか。 1.刺入部を温める。 × 2.注入を中止する。 ◯ 3.注入速度を遅くする。 × 4.点滴チューブ内の血液の逆流を確認する。 ×〈抗癌薬の血管漏洩への対応〉)〕。今回の第106回国試午前問題49を「基礎看護学」に分類する意見も聞かれますが、これら基礎看護学分野で問われてきた手技がなぜ行われるかという裏付けを考え、それを実際の対応と結びつけて考えるという構成が、成人看護学の目標Vの文言にしっくりくると考えて、医教では「成人看護学」に分類しました。*ちなみに、抗癌剤治療の副作用への対応が臨床でどのようにされているかは、『国立がん研究センター:がん情報サービス』の「化学療法全般について」を一度見ておくとよいのではないでしょうか。

もう1つ、例をみてみましょう。

【例1】(目標VI:終末期にある患者、および緩和ケアを必要とする患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。)

☆午前問題50
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数 28/分、脈拍 110/分、血圧 76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 SpO2 88%であった。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 1.面会は制限しない。← Aさんは慢性心不全の終末期であるが、見舞いの長女と会話ができており面会を楽しみにしている。トータルペインの考え方からも面会を制限するべきではない。
  2. × 2.水分制限を厳しくする。← 心不全患者への水分制限は、水分を摂ると一時的に血液量を増え心臓に負担がかかるためであるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しむ程度の状態は維持しており、また積極的な治療を行わないと希望していることからも適切ではない。
  3. × 3.Aさんに仰臥位を維持してもらう。← 心不全患者の安楽な体位は起坐位である。
  4. × 4.面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。← 鼻腔カニューラの酸素流量は1~6L/分である。リザーバーマスク10L/分でも息切れしているAさんには適切ではない。

これもまた、目標VIの「終末期にある患者、および緩和ケアを必要とする患者と家族の特徴を理解し看護を展開するための基本的な理解を問う。」という言葉通りの問題構成ではないかと思います。そして「疾病の成り立ちと回復の促進」「基礎看護学」「成人看護学」すべての要素が各選択肢に取り込まれており、まさに今後、看護学が目指すべき「看護の統合」が実現した問題だと思われます。一応、この問題のベースとなる過去問をご紹介。〔第96回 午前問題82(トータルペインで適切なのはどれか。 1.全人的苦痛としてとらえる。◯ 2.がん患者以外には適用しない。× 3.スピリチュアルペインは含まない。× 4.鎮痛薬でコントロールできるものが対象である。× /第98回 午後問題87(がん患者の緩和ケアで正しいのはどれか。2つ選べ。 1.入院治療が原則である。× 2.余命の延長が目標である。× 3.がんの診断とともに開始する。◯ 4.がんの治癒を目指した治療を優先する。× 5.患者と家族とのQOL向上が目標である。◯)/第102回 午前問題47(緩和ケアについて正しいのはどれか。 1.患者の家族は対象に含まない。× 2.ケア計画は多職種が話し合って立案する。◯ 3.疼痛コントロールの第一選択はモルヒネである。× 4.根治的な治療法がないと医師が説明したときから始める。×)

というわけで【107回国試に向けた「成人看護学」の学習ポイント】!

平成30年版の新出題基準の「成人看護学」を一度じっくり読んでみることをオススメします。読み応えばっちりです。そして、読んでから第106回の看護師国家試験の「成人看護学」の問題を読んでみてください。さらに、その問題が出題基準の目標I~VIIIのどこに当てはまるかを考えてみましょう。たくさんの新発見と今後の国試対策のポイントが必ずや見えてきますよ v('∇'*)v

さて次回のテーマは「老年看護学」。国試の分析と対策をご紹介いたします。

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