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医教の国試対策勉強法

医教の国試対策勉強法|【第2回】全11科目別国家試験対策「人体の構造と機能」パート1(2017.04.21)

このコーナーでは、第107回国家試験に向けた医教オリジナルの国試対策を隔週で紹介していきます。全11科目を基本的に2回に分けて解説。パート1で過去問学習を基本にしたアプローチ、パート2で『平成30年度新出題基準』を分析した新傾向に沿ったアプローチを行います。「むずかしい」と言われた106回国試ですが、ていねいに出題者の意図を探れば、決して手も足も出ない問題ではありません。過去と類似した問題からは「基本的なことはしっかり身につけてほしい」という意図が、新傾向の問題からは「分野のワクをまたがった、総合的な知識を身につけてほしい」という意図がみえます。つまり、看護の現場で力を発揮できる知識ですね。科目ごとに振り返り、皆さんも力をつけて107回国試に臨みましょう。

【医教オススメの過去問学習のポイント】
早押しクイズのように「これを問われたらこれ」と、正解選択肢を覚えてしまう学習では、昨今の「考えさせる国試」に対応できません。そこで、医教からの提案です。
過去問学習の際には、次の2つのポイントを意識してみてください。
(1)出題者の意図まで把握できる、分野をまたがった総合的な知識を身につける。
(2)選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのか理解する。

ポイント(1)の「分野をまたがった総合的な知識」があると、ポイント(2)の選択肢の○はなぜ合っているのか、×はなぜ違っているのかが理解できます。逆に(2)ができているようなら、総合的な知識が身についていると言えます。(1)と(2)は密接にリンクしているんですね。学習の際にも、実習や座学で身につけた(1)から(2)へのアプローチや、その逆の(2)から(1)へのフィードバックによって、生きた知識が身につきます。

【誤肢の存在意義をないがしろにしない】
誤肢はただ間違っている選択肢ではありません。思わず「うまい!」とうなってしまう奥深い誤肢が国試にはたくさん隠れており、近年それがさらに目立ってきました。誤肢の理解によってぐっと学習が進み、複合的なテーマの問題に出合った時にも慌てずにすみます。

106回の看護師国家試験では「過去問題が役に立たなかった」という声がたくさん聞かれました。ですが、過去問題自体が役に立たなかったというよりも、過去問題を単純に丸暗記してしまう学習方法では点数が伸び悩んでしまったというのが実情のようです。選択肢1つずつをしっかり吟味して、関連した内容をおさえ、過去問題を生かす勉強をしていきましょう!

さて、まず今回は「人体の構造と機能」パート1。第106回の国試問題と、それ以前の過去問を比較し、繰り返し出題されたものから、「人体の構造と機能」の学習ポイントを探りましょう。これは他の科目でも同様ですが、繰り返し出題されるものには、出題者の「覚えておいてほしい」というメッセージが込められています。そして、どう覚えてほしいのかを、しっかり読み取ることが大事です。はじめに106回の問題(☆)、次に過去の類似問題(★)をみてみましょう。

【例1】

☆午前問題30:ホルモンと分泌部位の組み合わせで正しいのはどれか。
  1. 1.サイロキシン―――――副甲状腺
  2. 2.テストステロン ――――前立腺
  3. 3.バソプレシン―――――副腎皮質
  4. 4.プロラクチン―――――下垂体前葉

解答

  1. 1.× サイロキシンは甲状腺から分泌される。身体の成長や基礎代謝を亢進させるホルモンである。
  2. 2.× テストステロンは、精巣から分泌される男性化作用をもつホルモンである。体蛋白の同化(筋肉生成)に重要な働きを持つ。
  3. 3.× バソプレシンは、下垂体後葉から産生される別名抗利尿ホルモンといわれる尿量を減少させるホルモンである。
  4. 4.○ プロラクチンは下垂体前葉から分泌される乳汁産生作用のあるホルモンである。

正解...4

【過去の類似問題】

★第104回午前問題27:ホルモンとその作用の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1.バソプレシン――――――利尿の促進
  2. 2.オキシトシン――――――乳汁産生の促進
  3. 3.テストステロン ―――――タンパク合成の促進
  4. 4.アルドステロン―――――ナトリウムイオン排泄の促進

解答

  1. 1.× バソプレシンは、下垂体後葉から産生される別名抗利尿ホルモンといわれる尿量を減少させるホルモンである。
  2. 2.× オキシトシンは下垂体後葉から分泌される射乳作用のあるホルモンである。選択肢にある「乳汁産生作用があるホルモン」は下垂体前葉から分泌されるプロラクチンである。→これが106回に出題されました!
  3. 3.○ テストステロンは、精巣から分泌される男性化作用をもつホルモンである。体蛋白の同化(筋肉生成)に重要な働きを持つ。
  4. 4.× アルドステロンは副腎皮質から分泌される尿中のナトリウムイオンを再吸収するホルモンである。

正解...3

★第104回午後問題29:ホルモンとその産生部位の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1.エリスロポエチン―――――膵臓
  2. 2.アドレナリン―――――――副腎皮質
  3. 3.成長ホルモン ――――――視床下部
  4. 4.レニン ―――――――――腎臓

解答

  1. 1.× エリスロポエチンは腎臓から分泌される赤血球生成促進因子であり、ホルモンともいわれる。
  2. 2.× アドレナリンは副腎髄質から分泌される交感神経刺激作用を持つホルモンである。
  3. 3.× 成長ホルモンは下垂体前葉から分泌される成長促進作用、血糖上昇作用をもつホルモンである。
  4. 4.○ レニンは腎臓から分泌されるレニンアンギオテンシンアルドステロン系を作動するための最初の物質である。

正解...4

【106回国試の特徴】
いかがですか? いずれもホルモンに関する組合せ問題。★第104回午前問題27はホルモンと作用の組み合わせで、106回の☆午前問題30と同じ選択肢も含まれていますが、興味深いのは選択肢2ですね。乳汁産生を促進させるのは下垂体前葉から分泌されるプロラクチンで、これが106回の☆午前問題30で出題されました。つまりホルモンを学習する際は、作用だけではなく、どこから出るかも正確に把握しておく必要があるというのがわかります。

一方、★第104回午後問題29は、106回の☆午前問題30と同様、ホルモンの産生部位を問う設問です。こちらでは逆に、問題を解く際、産生部位を覚えるだけではなく、作用も同時に把握しておきたいですね。

つまり、過去問に出た組合せをただ暗記するのではなく、そこからの総合的な学習が大切なんですね。「暗記の危険」は、一見過去とまったく同じ問題が出た場合にも同様です。例2を見てみましょう。

【例2】

☆午前問題73:最も順応しにくいのはどれか。
  1. 1.視覚
  2. 2.嗅覚
  3. 3.味覚
  4. 4.触覚
  5. 5.痛覚

解答

  1. 1.×
  2. 2.×
  3. 3.×
  4. 4.×
    いずれの感覚も、刺激を持続的に与えていると順応を起こす。順応(adaptation)とは、同じ強さの刺激を感覚器に持続的に与えていると、主観的な感覚の強さが次第に減少していく現象をさす。
  5. 5.○ 痛覚の場合はほとんど順応がなく、痛み刺激がなくなるまで痛覚は持続する。

正解...5

【106回国試の特徴】
いかがですか? この問題は、実は★第95回午後問題7とまったく同じなのですが、1点だけ違っています。4肢だったものに「触覚」が追加されているんですね。5肢のうえに「痛覚」と「触覚」だとちょっと迷いますよね? 難易度がちょっと高くなっている。基本としてしっかり覚えておくべきことなので、繰り返し出題されているのと同時に、少しだけむずかしくなり、そのまま過去問を覚えるだけでは通用しないようになっているんですね。

「人体の構造と機能」は、看護師が疾病の成り立ちを知る上での土台となる知識です。このため基本的なことは繰り返し問われるのですが、生きた知識となるように、過去問そのままではなく工夫も凝らされているんですね。国試に向けて、今回のパート1では、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。

【107回国試に向けた「人体の構造と機能」の学習ポイント】
ポイント1 まず過去問をしっかり! でも構造と機能、「丸暗記」はダメですよ。

次回「人体の構造と機能」パート2では、「疾病」とのかかわりで、出題基準に照らした新傾向の問題をみてみましょう。

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