<part3>患者さんの心を動かす関わり方


ブログで書かれていた「自己管理と予防する視点」は看護の分野でも大切だと思います。

ピラティスとの出合いについてお聞かせください。

ピラティスとの出合いは、理学療法士として働いて3年目でした。現場で介助量の多い患者さんを担当しているうちに腰痛が悪化して、私自身が歩行もつらい状態になってしまいました。理学療法士としては働くことができないというくらい精神的にも危機的な状況に追い込まれていました。運動療法で自己管理をするしかないという状態のときに出合ったのがピラティスです。

ピラティスを理学療法士の仕事にも生かすことができたのですか。

身体的にも精神的にも潰れかかっていた自分にとって、心と身体を自分でコントロールするピラティスはぴったりだったんです。かつ、その知識や経験は、理学療法士としての現場での仕事に直接生かすことができたので素晴らしい出合いでした。

予防や自己管理という視点ではいかがですか。

今後、予防的な分野の重要性はさらに高まっていくと思います。理学療法士や看護師は医療職として患者さんにその予防や自己管理の大切さを指導していくわけですが、指導する側の人間に自己管理の経験がないのはあまりにも説得力がありません。

指導する側の責任も大きいですね。

自己管理をするためには患者さんの行動変容が必要であり、そのためには、指導する側が患者さんの「心を動かす」関わり方をする必要があります。そのためには、指導する医療職が自己管理の経験があると患者さんの気持ちに寄り添うことができるし、言葉に重みがでてくると思うんです。「知っていること」と「経験したことがある」では全くちがいますから。

では、理学療法士という仕事はこれからどのように変わっていくと思いますか。

病院以外で働く理学療法士がどんどん増えていくでしょう。また、一つの分野で治療技術や研究が優れているスペシャリストではなく、幅広い領域に対応できるジェネラリストの理学療法士が求められてくると思います。そして、「理学療法士に治してもらう」のではなく「理学療法士の指導によって患者さん自身で管理できるようにする」ということの重要性がもっと高まってくると思います。

最後に、看護師をめざして勉強をしている方に向けてメッセージをお願いします。

看護師さんにはいつもお世話になっています。看護師さんがいなければ病院の医療は成り立たないといっても過言ではないほど大切な存在です。大変なことも多いですが患者さんの人生に関わり、感謝される貴重な仕事だと思います。現場はテレビ番組よりもドラマッチックで、感動的です。ぜひ一緒に医療を支えていきましょう!

今日はありがとうございました!

互いの専門性を発揮したアプローチを
(写真はイメージです)