<part2>「軒下カンファレンス」で常に情報交換をしています

作業療法士の一日はどのようなスケジュールで動いていくのですか。

基本的な仕事の場は病院のリハビリテーション室になります。出勤したら、まず申し送りです。そして担当の入院患者さんにどんなことがあったかを調べたり看護師さんを含めた他のスタッフに聞いたりします。その日のスケジュールを組んだら、お昼休憩以外はずっと臨床を行っています。臨床が終わると最後に記録を取って帰宅という流れです。夜勤はありません。

リハビリテーション室以外での臨床もありますか。

はい。病室でベッドからトイレへ行く練習、歯磨きや整容の練習、また食事の場面では、手の動きや座り方などの指導もします。時には、福祉用具をその場で制作して、より動作をスムーズにするような介入をすることもあります。外に散歩に行ったり、バスに乗る練習もしたりしますので、リハビリの場所は多種多様です。

お仕事のなかで、どのように看護師さんと連携をとっていますか。

看護師さんとはかなり連携をしています。まず、朝昼晩の申し送りで情報交換をします。自分の担当の患者さんが一日どういうふうに過ごしているかを情報収集したり、作業療法士からも看護師さんに、この患者さんのトイレはここだけ介助すれば大丈夫というような提示をしたりします。そしてそれが実際にうまくいくのかいかないのか、逆に看護師さんが気づいたリスクをフィードバックしてもらって再度検討してお返しするなど、お互いにやり取りを頻繁にしていますね。こうやって日常的に話すのを「軒下カンファレンス」と呼んでいます。

日常的に情報交換をしているのですね。では、正式なカンファレンスはどのようなことを話し合うのですか。

はい。きちんとした形のカンファレンスは、医師や看護師さんなど、その患者さんに関わるチーム全員が集まって、しっかりと患者さんの今の状況とこれからの方針を固める形で行っています。例えば、患者さんが自宅に帰るのを望んでいるという情報があったら、作業療法士からは、患者さんの今の能力だと自宅に帰るとこういう介助が必要という情報を提供します。患者さんの情報をチームで共有して、それなら退院して在宅でもいけそうじゃない? というように今後の方針を決めていきます。

車椅子や補助具などのアドバイスもされるんですよね。

そうですね。実際その患者さんのご自宅まで行ったり、事前に家のお写真をいただいたりして、ここに段差があるからこういう練習をしようとか、この廊下だと車椅子が入らないから小型タイプの車椅子で生活してみようという提案をしていきます。

心のケアは看護師さんと相談しながら
(写真はイメージです)